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新時代に突入したPHPのフレームワーク戦争

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2012年9月、PHPのフレームワーク戦争は新たな局面に突入した事が明確になってきました。PHPフレームワーク、Symfonyプロジェクトの創始者であるFabien Potencier氏のブログ記事がPHPフレームワーク界で話題です。

オブジェクト指向を本格的にサポートしたPHP5とRailsが与えたインスピレーションから始まった2005年頃からはsymfonyやZend Framework、CakePHP、CodeIgnitierなどのフレームワークを生み出しました。その後、名前空間をサポートしたPHP5.3がリリースされるとコードの抜本的な構造などを見なおした次世代フレームワークが次々に登場します。冒頭のFabien氏の記事では2012年9月6日にZendFramework 2.0とSymfony2.1が奇しくも同日にリリースされました。Fabien氏はZendFrameworkのリリースを祝福した上で、「何故、他のXというフレームワークよりSymfonyを選ぶのか?」という質問の回答としてブログの記事を投稿しています。

記事によると下記のような点をSymfonyを選ぶ理由として挙げています。

  • Symfonyはフレームワークではなく、プロジェクトであり用途に応じて様々なコンポーネントをそのままつかったり、Sliexとして使ったり、フルスタックなフレームワークとして使う事もできる。
  • 大きな採用事例があること。(BBC NBC TEDなど)
  • 大きなコミュニティがあり、昨年だけでも550人以上が貢献している。
  • 車輪の再発明をしない事を推奨しておりさまざまなコンポーネントが開発、公開されている

この記事には非常に多くのコメントが寄せられ、このようなドキュメントを各フレームワークが記述したらいいのではなどという声も上がり始めました。そしてCakePHPの開発チームの一人であるJose Diaz-Gonzalez氏が正に返信の記事である「Why to Actually Choose CakePHP?(なぜ実際はCakePHPを選ぶのか?)」という記事を公開します。こちらの記事ではジョークを交えて下記のような点をCakePHPを選ぶ理由として挙げています。

  • 熱心な開発者
  • 継続的なリリース
  • モデルレイヤー
    配列がPHPでデータを扱う最良の方法であるから。Cake3からはモデルをオブジェクトとして扱う事もできるようになるが。
  • Symfonyじゃないこと
  • パトリオットエールハウス
    このバーで一緒にエールを一杯飲んだ相手しか信用しないので

また前後してZendFrameworkの開発チームのEvan氏は「Why ZendFramework」という記事を公開します。こちらの記事では直接Fabien氏の記事を引用しつつZendFrameworkを選ぶ理由として下記のような点を挙げています。

  • ZendFrameworkはずっとコンポーネント志向だった
  • ZendFrameworkも大企業につかれている。(BBC, Cisco, Discovery, Panasonic, Offers.com等 同様にオープンソースプロジェクトでも使われている。: Magento, TomatoCMS, pimcore, Centurion, Digitalus CMS, Webfolio, PHProjekt, Concrete5)
  • コミュニティの活発さ、車輪の再発明をしない事などは同じようにZendFrameworkにも当てはまる

全てを読んでみると、説得力のあるSymfony,場外戦術を仕掛けるCakePHP、俺も俺もといった感じのZendFrameworkという感じです。いずれの主張もRails直後のような機能ではなく、汎用性やコミュニティの活発さなどに言及している点が印象的です。技術的にはPSR-0PSR-1といったフレームワーク間で設計や規約が共有化され、コンポーネント化や相互の再利用がしやすくなっている点もあり、コミュニティこそがフレームワークの特性になってきているのかもしれません。

Written by yandod

2012/09/19 @ 10:32

カテゴリー: Uncategorized

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